ガソリンを給油する時は、エンジンを停止しなければならないの?
つい先日のことなんですが、セルフのガソリンスタンドで給油中に、向かい側でも給油をしていたんですよね。
まあこれ自体はよくあることなんですが・・・
よく見ると、向かい側で給油している車なんですが、給油中にもかかわらずエンジンかけっぱなしに!車が小刻みに動いているんです。
「えっ!ガソリン給油中はエンジン停止しなくてもいいの?」
と、ちょっと疑問に。
いままでセルフのスタンドは給油前にエンジンを止めるのが当たり前と思っていたので、なんだか常識をくつがえされた気分に・・・。
とはいえ、セルフのスタンドを利用する人は、給油中にエンジンを停止させる人のほうが圧倒的に多いと思いますし、この辺がちょっと気になったので、徹底的に調べてまとめてみました。
Contents
ガソリン給油時にエンジンを止めなければならないの?
ガソリンスタンドで「給油中エンジン停止」という看板を見たことありませんか?
この看板なんですが、実は、「消防法」で定められていて、ガソリンスタンドに設置することが義務化されているんです。
そうなんです!
ガソリンの給油中にエンジンを止めるかどうかなんですが…これは結論から言えば、消防法で定められていますので、給油中は自動車のエンジンを止めることが義務化されているのです。
消防法などに基づく「危険物の規制に関する政令」の第27条、第6項によると、ガソリンスタンドなどの給油取扱所における取扱いの基準として、
「自動車等に給油するときは、自動車等の原動機を停止させること」
となっています。
理由は、可燃性蒸気(この場合で言えばガソリンが蒸発したもの)に引火の可能性があるから、なんです。
給油中にエンジンかけっぱなし時の万が一の危険性
エンジンに引火の可能性があるって…本当にそうなの?あまりきいたことないなぁ~
最近の車は安全性能が高くなっているので、あまりピンとこない人も多いと思いますので、データを出してみますね。
まずは、総務省消防庁の発表しているデータですが、
平成29年における車両火災の発生件数は3840件!1日に10件以上の車両火災が起きています。
更に詳しく車両火災の原因別に見ると、
排気管 622件
交通機関内配線 374件
電気機器 210件
放火 208件
たばこ 162件
電気装置 144件
放火の疑い 111件
内燃機関 104件
衝突の火花 103件
・・・
となっています。
このデータから分かることは、車両火災の原因は万が一において存在する、ということ。
例えば、古くなって劣化した配線がむき出しになって、そこから火花が飛んで給油中のガソリンに引火し車両火災に・・・なんてことも考えられるのです。
普通であれば、「あれおかしいな?」と思って検査してもらえば簡単に直るケースであっても、こういった不具合がガソリンの給油中に起きたとしたら重大災害につながるケースも充分考えられます。
なのでやはり、給油中においては、エンジンだけでなく電気系統など車の機能をいったん停止させることは、安全のために必ず必要となってきますね。
ガソリン給油時にエンジンかけっぱなしでこんな危険も…
ガソリン給油時にエンジンを止めないと引火の可能性があるからエンジンは切っておきましょうよ、というのはお伝えしましたが、給油中にエンジンを切っていない時の危険は他にもまだあります。
たとえば、給油時に車が動いてしまうこと!
・ギアをパーキングに入れたつもりでドライブに
・サイドブレーキを引いたつもりでやってなかった
なんて場合には自動車が勝手に動いてしまう事が考えられます。
また、このケース以外にも、子供は親のすることを真似するので、給油中に子供がいたずらして車が発進してしまった、なんて可能性も捨てきれないですね。
なのでやはり給油前には、きっちりエンジンを切っておいたほうがより確実ですよね。
また、こちらの動画ですが、給油中にエンジンをかけっぱなしだと、給油中にもかかわらず、もう終わったと勘違いして発進してしまった、なんてこともあるようですね。
https://www.youtube.com/watch?v=g9Sa697VBE4
一歩間違えれば大事故につながる可能性がありますので、やはり給油中は、エンジンを切っておきましょう!
まだある!ガソリンスタンドにおける危険性!
いろいろと恐怖をあおっているみたいで申し訳ないですが、今回この記事を書くにあたりいろいろと調べたのですが、ガソリンスタンドにおける危険は実はまだあるんです。
タバコの火が危いのは当たり前なんですが、それ以外にも危険なものや行為をありますので、知識として身につけておいたほうがいいと思うものを紹介していきますね。
携帯電話が火災の原因に!
こちらの動画で分かる通り、携帯電話は微弱電流を発生させます。
この微弱電流が給油中のガソリンに引火・・・なんて可能性ももちろんありますので、できればガソリン給油中は携帯電話に触れないほうがいいですね。
でも、この動画の機種はかなり古いよね…最近のスマホだったら大丈夫じゃないの?と思いますが、実はスマホも微弱電流が流れているのです。
スマホは画面をタッチしていろいろな操作ができるのですが、この操作に関しては微弱電流が使われている場合があります。
またこれ以外でも、電源のオンオフなど携帯電話の例にならうとスマホも絶対安全とは言いきれないですので、給油中にスマホをいじるのはやめておいたほうがいいですね。
いったん戻って静電気
静電気除去シートに触れてから給油を開始!しかしながら給油中に、
・電話がなった
・財布を忘れたので取りに行った
・子供が突然泣き出した
などの理由で、車に戻ることもあると思います。
その時に、シートと衣類がこすれ合わさって静電気が発生してしまい、それが給油中のガソリンに引火してしまう事がよくあるみたいです。
こちらのデータによると、ガソリンスタンドでの火災170件のうち、82件が給油中に給油者がいったん車内に戻った後、再び給油ノズルに触れた際の火災という報告があります。
→米国セルフスタンドの火災 (PDF)
一回静電気を除去したから大丈夫、ではなく、給油が終わっていないのであれば、静電気が発生するごとにきちんと静電気を除去するようにしてください。
タバコを吸いながら給油をしてはいけない…なんてことは当たり前ですが、それ以外でも危険な場面というのは意外に存在するので、こういったことに関しても十分注意を払ってくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
長くなってしまいましたので、もう一度要点をまとめてみると、
◆ガソリン給油中のエンジン停止は消防法で義務化されています。
ガソリン給油時は必ずエンジンを切ってくださいね
◆給油中にエンジンかけっぱなし時の万が一の危険性
例えば、古くなって劣化した配線がむき出しになって、そこから火花が飛んで車両火災に・・・なんてことも考えられます。
◆ガソリン給油時にエンジンかけっぱなしでこんな危険も
エンジンを付けたままでいることで車が動いてしまうことも考えられます。
◆その他の危険
携帯電話が微弱電流を発生させますので、万が一のことを考えると給油中のスマホいじりはやめましょう。
また、給油中に車内に一旦戻ったせいで電気を帯電してしまってそれが火災の原因に・・・なんてこともあります。
万が一、ということも考えられますので、ガソリン給油時は必ずエンジンを止めるようにしてくださいね。
本日の記事は以上です。
最後までお付き合いただき、ありがとうございます。