エアコンの冷房と除湿(ドライ)ってどう違うの?
・冷房も除湿(ドライ)も一緒で冷たい風が吹いてくるよね
・違いってあるのかな?
・電気代はどっちが安いの?
と、気になって夜も眠れない…ほどではないですが、そこそこ気になっていませんか?
たしかに、除湿(ドライ)機能でエアコンを運転させても、冷たい空気がエアコンから流れてきますよね。
「部屋が冷えるのであれば、どっちでもいいのでは?」
なんて感じで、今までは大雑把に考えていたのですが、やっぱりちょっと気になってしまうもの。
そこで本日は、エアコンの「冷房」と「除湿」の違いについて徹底的に調べてみました。
冷房と除湿(ドライ)の違いの前に、共通点はこれ!
エアコンの冷房と除湿、どちらも運転にすると冷たい風がでてきますよね。
実は、エアコンの冷房と除湿はそれぞれ別の機能を使っているのではなく、同じ機能を使っているのです。
空気を急激に冷やすと、空気中の水分が水滴になり、その結果湿度が下がる。
具体的に言うと、
・ストーブで暖められた空気が、冷たい窓で急激に冷やされて結露になる
・夏の温かい空気が冷たい氷水の入ったグラスに冷やされてグラスの表面に水滴がつく
こんな感じで、空気は急激に冷やされると、その中の水分を失って水滴になります。
なので、エアコンにおいても、
・空気を冷やすこと(冷房)が目的でも、エアコン内部で水滴は発生するし
・逆に、除湿目的でも、ある程度空気に温度差を作らなければならない(冷やさなければならない)
となってくるのです。(内部で発生した水分はホースを伝って外に排出されます)
したがって、冷房においても除湿においても、エアコン内部で使われているシステムは同じで、「空気を冷やすことで空気中の水分を奪う」といったシステムが働いています。
でもそうなってくると、「同じシステムだったら冷房だけでいいじゃん!」となってきますよね。
なので、そのへんも含めてメーカーさんに電話して聞いてました。(特に気になるのが電気代ですね)
今回電話で聞いてみたのは、ルームエアコン「霧ヶ峰」でお馴染みのMITUBISHIさんです。
電話した内容をさっそく紹介していきますね。
冷房と除湿の違いをメーカーに電話して聞いてみたよ
もしもし、エアコンについてお聞きしたいんですけど…
エアコンの冷房機能と除湿(ドライ)機能の違いについて教えてもらえませんか?
違いは「冷房」は温度を16度から32度まで設定出来るのに対して、「除湿」は3段階の設定ができることです。
温度の設定のやり方が違うのですね。
強の場合-3度、標準の場合-2度、弱の場合-1度、温度が下がるようになっています。
それに対して「冷房」の場合は、温度を指定することができます。
そうなってくると、電気代に関しても違ってこないのでしょうか?
電気代で差が出るとすれば、それは「設定した温度差」で電気代に違いがでてきます。
なるほど。ありがとうございました。
その他のメーカーでは?
今回は、MITUBISHIさんに電話して聞いてみたのですが、その他のメーカーも同じなのかちょっと気になったので、さらに調べてみました。
まず最初に、「コロナ」さんですが、公式サイトではこう回答していました。
Q 除湿(弱冷房ドライ)と冷房の消費電力について。除湿運転と冷房運転ではどちらが節電出来るのか?
A 除湿(弱冷房ドライ)の方が冷房運転よりも能力を抑えた運転となるため節電効果が期待できます。
反面能力が足りなくなり、冷え難くなる場合があります。引用 CORONA Q&A
なるほど、コロナさんのエアコンの場合、更に詳しく調べてみたのですが、風を送る強さに差をつけているみたいですね。
そして次に、「Panasonic」さんですが、公式サイトでは、
Q 除湿と冷房だと、どちらの電気代が安くなりますか?
A 冷房除湿は、弱冷房運転での除湿となり、冷房と電気代は同じです。
「暑いのでまずは涼しくしたい!」という時は冷房を、「暑いけれどジメジメ感も気になる!」という時は冷房除湿を使っていただくことをおすすめします。
- 除湿・衣類乾燥は、再熱除湿となります。
- 再熱除湿(除湿、衣類乾燥)の場合は、室温を保ちつつ除湿を行いますが、冷えた空気を暖めてから室内に出すので、冷房に対して約1.2倍の電気代になります。
とのこと。
「再熱除湿」とは、除湿するためにいったん冷やした空気を、再度温め直して室温と同じ温度にする機能です。
なので、この「空気を再度温め直す」の工程の分だけ電気代がかかってしまうということですね。
最後に、「日立」さんですが、公式サイトでは、
Q 冷房と除湿では電気代が安いのはどちらですか?
A
カラッと除湿(再熱除湿方式)のエアコン
同じ設定温度で比較すると、カラッと除湿(再熱除湿方式)より冷房のほうが若干電気代が安くなります。
カラッと除湿(再熱除湿方式)は、お部屋の空気をエアコンの内部で強く冷やして除湿します。冷えた空気は暖め直してから送風するため、空気を暖める分、冷房と比較すると若干電気代がかかります。
ソフト除湿(弱冷房方式)のエアコン
同じ設定温度で比較すると、冷房よりソフト除湿のほうが若干電気代が安くなります。
ソフト除湿は、冷房で空気を冷やして除湿を行います。ソフト除湿に設定すると、風速は常に微風に固定されます。そのため、冷房と比較すると風量が常に抑えられる分、若干電気代が安くなります。
日立さんの場合は、
カラッと除湿(再熱除湿方式)の場合、「Panasonic」さんと一緒で、除湿するためにいったん冷やした空気を再度温め直すので、その分だけ電気代がかかってしまいます。
そして、ソフト除湿(弱冷房方式)の場合では、風速が微風に固定されていますので、冷房と違って若干風当たりが柔らかいですので、寒い空気はエアコンから吹き出してくるのですが、肌寒く感じないような工夫と言えますね。
除湿運転は寒いので使いたくない!
ジメジメした梅雨の季節…雨ふっていて外に洗濯物が干せないから、部屋干ししたいのだけれど、部屋干しすると更にジメジメとなってしまう。
エアコンを除湿運転にすればいいのだけれど、結構寒いんだよね…
なんてこと、梅雨の時期あるあるだと思います。
できればエアコンの除湿を使わずに室内の湿度を下げたい!のであれば、ペットボトルと扇風機を使って湿度を下げるのがオススメ。
ざっくり説明すると、夏の暑い日に氷水の入ったグラスに水滴がついて空気中の水分を奪って湿度を下げますよね。
これをペットボトルと扇風機で人工的にやってしまうのです。
やり方は簡単で、凍らせたペットボトルを扇風機の前においておくだけ。
これで、湿度の高い日にはガンガンとペットボトルに水滴がついていきますので、定期的にその水滴を拭き取ってやれば室内の湿度が下がっていきますよ~。
扇風機の場合、風向きを調節して人に当たらなくすることで、体感的な温度はそれほどかわらずに除湿できますので、「エアコンの除湿機能は寒い」といった場合は、是非試してみてください。
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まとめ
いかがでしたか?
エアコンの「冷房」と「除湿」の違いですが、基本的なシステムは一緒で、細かい部分(再熱除湿機能など)メーカーによって違ってきています。
そして気になる電気代ですが、これは、「どっちの機能が電気代がお得なのか」というよりも「どのくらい空気を冷やしたのか?」によって変わってきますので一概に比べることはできません。
状況によって使い分けていきたいですね。
本日の記事は以上です。
最後までお付き合いただき、ありがとうございます。