FBIとCIAってどう違うの?
「ここから先はFBIの仕事だ!」
なんてセリフ、映画で一度はきいたことがあるのではないでしょうか?
その次は必ず決まって「チェッ!」と舌打ちする警察官。
これって実は、その事件の規模を表す伏線なのですが…
私達日本人はFBIついてあまり馴染みがないので、「ここから先はFBIの仕事だ!」がどういった意味を持つのか知りませんよね。
それ以外にも、よく聞くのが「元CIA捜査官の○○さん」のお話…
これも、実はそれからの話の内容の信憑性を深めるために物凄く効果的なのですが、これもCIAについてよく知らないと、「だから何?」って感じですよね。
これではもったいない…
せっかく映画を見るのだから、背景にある事情をもっとよく知ってより楽しみたいですよね。
ということで本日は、CIAとFBIの違いや仕事内容について、わかりやすく紹介していきますね。
Contents
FBIとCIAの違いはこれ!
FBIとCIAの違いですが…わかりやすく例えてみると、
FBI=武将
CIA=忍者
厳密には違いますが、FBIとCIAの違いに関しては、こんな感じのイメージを持っていただけるとわかりやすいと思います。
まず、FBIから簡単に説明しますが、FBIはアメリカ合衆国の警察機関の一つなんです。
そう!FBIは警察機関の一つなんです。
では、州警察とどう違うの?
と言われると、ちょっとややこしいのですが・・・わかりやすく説明すると、まずアメリカは連邦法と州法の二重の法制度なんです。
「州によって運転免許の取れる年齢が違うよ」
なんて聞いたことがある人も多いと思いますが、こんな感じで、州ごとに法律があり、そしてまた、連邦法という国の定める法律があるという二重の法制度なのです。
となってくると、州法を元に犯罪の取り締まりや捜査を行う機関と、連邦法を元に犯罪の取り締まりや捜査を行う機関が必要となってきますよね。
ここまで来ると分かると思いますが、州法を基準に取り締まりや捜査などを行うのが、州警察(地元の警察官)。
そして、もう少し大きな連邦法を基準に取り締まりや捜査をおこなうのが、FBIとなります。
(もちろんお互いに捜査の協力などの連携は取っていますよ~)
※FBIとは連邦法に関する事案の捜査するので、「連邦捜査局」と日本語では訳されていますね。
なので、私的にはFBIは、大名(大統領)からより広い地域の安全を守ることをまかされた「武将」みたいなイメージですね。
そうなってくると気になるのが、CIAですが・・・これはもう「忍者」そのもの。
いろいろな国や活動グループの情報を集めたり、その情報を精査したり、また、嘘の情報を流したりと、影に日なたに活躍します。
その中ではもちろんテロリストに攻撃を仕掛けたりなんかもしているそうです。
そうなってくると、私的にはCIAは、大名(大統領)から他国の情報を集めたり、他国のスパイを攻撃したりするのを任された「忍者」みたいなイメージですね。
とはいえ、これだけの説明だと、逆にわかりにくかったかな?
なので、FBIとCIAについて、それぞれもう少し深く掘り下げてみますね。
FBIとは?仕事内容はこれ!
FBIとは…まず何の文字を略したのか?から説明していきますね。
F Federal 連邦の
B Bureau 局、事務所
I of Investigation 捜査
となっていて、日本語では「連邦捜査局」と翻訳されています。
FBIのはアメリカ合衆国の警察機関の一つで、アメリカ合衆国司法省において、連邦法に関する事案の捜査を任務としています。
ここまでは先ほど紹介しましたね。
そしてFBIの具体的な仕事内容としては、
・テロ・スパイなど国家の安全保障に係る公安事件
・被害額の大きい強盗事件
・連邦政府の汚職に係る事件
・誘拐の疑いのある失踪事件
・複数の州に渡る広域事件
などについて、捜査したり取り締まりをしたりしています。
なんだか事件の規模が大きくなると、捜査権が警察からFBIに移ることが多いですね。
小さな事件だと思って捜査をしていた警察官が、FBIが出てきたことで、今までの苦労を取り上げられ、「チェッ!」と舌打ちする場面は、映画で一回は見たことがあるのではないでしょうか?
そりゃそうですよ!
警察官だって自分で事件を解決してヒーローになって表彰されたいですからね!(ちなみにアメリカという国はヒーローが大好きです)
そんな風に、せっかく捜査をしても「あと一歩で犯人」というところでFBIにお手柄を取り上げられ、ヒーローになりそこねる・・・なんてことが何回か続くと、さすがの警察もFBIを嫌いになって仲が悪くなってしまっても仕方がないですね。
この仕事の奪い合いで仲が悪くなってしまうのは、CIAとFBIの関係でも同じことが言えますね。
とはいえ、これは映画の中では事件の大きさを描写するテクニック。
「FBIが出てきた」ということで、犯人の残虐性や組織的犯罪、そして大きな事件で、州警察の手には負えないことを示唆しているもの、と言えるでしょう。
ちなみに、難事件・怪事件で有名な「Xファイル」のモルダーとスカリーはFBI捜査官ですよ~。(そういえば、「Xファイル」では政府の秘密機関から「これ以上はこの事件に関わるな」なんて捜査の足止めをされたことがあったような…上には上がいるのですね)
CIAとは?仕事内容はこれ!
CIAとは…まず何の文字を略したのか?から説明していきますね。
C Central 中央の
I Intelligence 知能、知性、情報
A Agency 代理店、取り次ぎ、(政府の)機関
となっていて、日本語では「中央情報局」と翻訳されています。
アメリカ合衆国大統領直属の監督下にあり、中央情報局の長官によって統括されています。
この「アメリカ大統領直属」という位置づけが物凄く強い!
なんせ、CIAに逆らうことはアメリカ大統領に逆らうことなので、「CIA」という肩書は、水戸黄門の印籠もびっくりの効果があります。
そんな感じで、映画の中の事件現場においては、警察官も物腰低く、CIAが幅を利かせて顔パス状態なのです。
そしてCIAの基本的な仕事内容なのですが、詳しい情報は明らかにされていません。
よく言われているのが
・国内や国外での情報収集、情報操作
・親米の援助、反米の打倒
・スパイ活動
と、この他にもまだまだありそうですが、普通に生活している私達には、なんだか曖昧でピンとこないものが多いですね。
逆に言うと、映画の中で、事件にCIAが割り込んでくるのは、「酒によって殺してしまった」みたいなことじゃなく、もっとなにか他の国のスパイや諜報機関、政治犯などが関わっている、という伏線でもありますね。
また、よくある「元CIA捜査官の○○さん」のお話…なんですが、
CIAは先程も紹介したように、スパイ活動をしていたり情報操作をしたりしますので、その過程で「本物の情報」と「ニセモノの情報」に接触している場合が多いですよね。
いわば情報のスペシャリスト!
いろいろな情報がある中で、情報のスペシャリストである元CIA捜査官が語ること、というのはやはり信憑性がありますので、情報の裏付けに使われたりするのです。
と、これでFBIとCIAの仕事内容はわかってきましたね。
となると、次に気になってくるのはFBIとCIAの力関係…どっちが上なの?
FBIとCIAはどっちが上なの?力関係は?
CIAとFBIのそれぞれの仕事内容がわかったところで、気になるのは「どっちが上なのか…」要するにどっちが事件の担当をするかですが、まず結論から言えば、捜査において意見が通るのはCIAと言われています。
例えば、映画にありそうな展開として…
ある州で殺人事件が起きた場合、最初に捜査するのはもちろん、地元の警察官です。
そしてその事件が、2ヶ月前に違う州で起きた殺人事件と一緒の手口で同一犯である可能性が高い場合、「州をまたいだ殺人事件」ということになりますので、捜査は警察からFBIに変わります。
そしてさらにその殺人犯の背後には、反米組織が見え隠れしていて、その組織をCIAが以前から追っていた…なんて場合には捜査権がFBIからCIAに変更する場合があるそうです。
しかしながら、殺されたのは、警察官のたった一人の娘…なんて場合には、FBIに捜査権が移っても納得いかずに、その警察官が、FBIやCIAに内緒で捜査して、やりすぎてしまったり…なんて筋書きのドラマがありそうですが。
ということで「警察」と「FBI」と「CIA」の強さ…ですが、
CIA>FBI>警察
となります。大統領直属強し!
まだある!映画に出てくる組織の実体
映画にはいろいろな組織が登場します。
思いついたものを紹介していきますね。
MI6
「MI6」とはイギリスの情報機関の一つです。正式名称は「SIS(Secret Intelligence Service)」です。
007シリーズで有名ですね。
情報収集や情報工作などが主な活動内容です。
なぜ、SISではなくMI6と呼ばれているのか?ですが、MIとはもともと「Military Intelligence」で軍の情報部だったのです。
ちなみにMI6の他には、
MI1 暗号、暗号解読
MI2 中東、極東、アメリカ、ソ連などの情報収集・工作
MI3 東欧、バルト海岸諸国の情報収集・工作
MI4 地図作成
MI5 防諜
などがあり、MI6は「秘密情報部」となっています。
インターポール
インターポールとは、国際刑事警察機構で、正式名称は、「 International Criminal Police Organization」、「ICPO」と略されていることが多いですね。
有名なのが「ルパン三世」でお馴染みの銭形警部!なんと、ICPOに属しているのです!(エリートなんですよ!)
そして、国際刑事警察機構ということで、
・国外逃亡被疑者や行方不明者
・盗難美術品の発見
・国際犯罪者に関する情報のデータベース化とフィードバック
など、国際犯罪に関わる仕事を担っています。
そういえばルパン一味も美術品の盗難を世界中でやっていますね。
まとめ
いかがでしたか?
長くなってしまいましたので、もう一度要点をまとめてみますね。
◆FBIとは?
具体的な仕事内容としては、
・テロ・スパイなど国家の安全保障に係る公安事件
・被害額の大きい強盗事件
・連邦政府の汚職に係る事件
・誘拐の疑いのある失踪事件
・複数の州に渡る広域事件
などについて、捜査したり取り締まりをしたりしています。
◆CIAとは?
CIAの基本的な仕事内容なのですが、詳しい情報は明らかにされていませんが、
よく言われているのが
・国内や国外での情報収集、情報操作
・親米の援助、反米の打倒
・スパイ活動
となっています。
ちなみに、警察の友人に聞いたことですが、日本において、県をまたぐ犯罪においては、一つ一つの事件ごとに扱いをするのでそれぞれの県が担当、ですが、合同調査の場合もある、とのことでした。
本日の記事は以上です。
最後までお付き合いただき、ありがとうございます。